最近、近くの製造業の会社に勤めているパートの方が、会社の人に
「仕事がないから、明日来なくていいよ。」って言われたらしい。
パートさん、お休みできるのはいいけれど、時給だから、その分お給料
でないとなると・・・困りますよね。
そんなときって、お給料の保障みたいなものがないのでしょうか。
休業手当
そんなときには、平均賃金の100分の60以上の手当を支払わなければならなくなっています。
【労働基準法第26条】
使用者の責に帰すべき事由による休業の場合においては、使用者は、休業期間中
当該労働者に、その平均賃金の100分の60以上の手当を支払わなければならない。
この休業手当の制度は、労働者の生活保障という観点から設けられたものです。
いきなり大黒柱であるお父さんのお給料が会社の都合でまったくでなくなってしまったら
大変なことになりますよね。
使用者の責に帰すべき事由
それでは、「使用者の責に帰すべき事由」ってどんな事由なのでしょうか。
「使用者の責に帰すべき事由」による休業とは、使用者が休業になることを避けるため
社会通念上、最善の努力をしたかどうかが判断の基準となります。
使用者の責に帰すべき事由による休業に該当するもの
① 親会社の経営難のため、下請け工場が資材、資金の獲得ができずに休業した
② 原材料が不足したための休業
③ 生産調整のための一時帰休
④ 新規学卒採用内定者に対する企業の都合による自宅待機期間
使用者の責に帰すべき事由による休業に該当しないもの
① 労働協約、就業規則、労働契約等で休日と定められている日
② 労働者側のストライキに対し、使用者側が作業場を閉鎖をした場合
③ 代休付与命令におり使用者が与えた休憩又は休日
④ 労働安全衛生法による健康診断の結果に基づいて行われた健康診断の実施後の
措置としての休業等
例えば、仕事の受注が減ってしまったから1ヵ月おやすみになったとしても
歴日日数分の休業手当がでるのではありません。
あくまで、所定労働日の日数分だけ、手当がでます。
台風など天災事変の場合は?
それでは、今年の7月にあった豪雨による災害等により事業の継続が難しくなった
場合はどうでしょうか。
天災事変等の不可抗力の場合は、使用者の責に帰すべき事由とはいえず、
休業手当の支払は必要ないとされています。
ここでいう、不可抗力とは
① その原因が事業の外部より発生した事故であること
② 事業主が通常の経営者として最大の注意を尽くしてもなお避けることのできない
事故であること
この2つの要件を満たすものでなければならないと解されています。
よって、天災事変等の場合は、一般的に休業手当は不要とされています。
それでは、平成21年に発生した新型インフルエンザのときはどうだったのでしょうか。
このときは、医師等の指導により休業させるときは、休業手当は不要とされていましたが
会社側の自主的な判断で休業させる場合は、休業手当を支払う必要があるとされていました。
基本的に医師等の指導による休業 → 休業手当不要
会社側の自主的な判断で休業 → 休業手当要
ということになります。
まとめ
労働者のかたはもとより、会社の社長さんも「休業手当」について
知らない方は多いと思います。
悪意なくただ「知らない』から、休業手当をだしてなかったという社長さんも
いらっしゃるようです。
「明日、仕事ないから休んでくれる?」って言われたら
「休業手当でますか?」って一言、言ってみるのもお互いのためにいいかもしれませんね。
最後までお読みいただいき、ありがとうございました♪
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